院長ブログ
インプラント+オールセラミックの症例~50代男性~
治療開始当時50代だった男性の症例です。
噛み合わせ・審美性の改善のために、一口腔単位で治療を行った例になります。
上顎の前歯がないのですが、前歯を作るスペースがありません。
また、4本の歯が無いので、ブリッジでは対応できすに、【入れ歯】か【インプラント】のどちらかを選択して頂くことになりました。
【入れ歯】では、金具が見えたり、食事の時に動きやすいのですが、
【インプラント】では、それらの点を改善できるので、今回は【インプラント】を選択されました。
POINT
大切なポイントは以下の3つになります。
- バランスのとれた咬合平面の付与(横から見た上下的な歯の並び)
- 適正な咬合高径の確立(噛み合わせの高さ)
- アンテリアガイダンスの付与(上顎前歯の舌側面が下顎の動きを誘導する作用)
これらのうち、
上記2の噛み合わせの高さに関しては、診査・診断の結果として、現在の状態で行うことにしました。
ですので、治療として実際には、
- 上の前歯については、骨造成を併用したインプラント治療
- 下の前歯については、歯周外科的な歯冠長延長術(歯の長さを延ばす)+セラミッククラウンによる補綴治療
- 奥歯については、歯冠形態の改善のためのセラミッククラウンによる補綴治療
の3つについて行いました。
*インプラントは2本、セラミッククラウンは20本(インプラント部も含めます)
時間をかけても上記のような治療を受け入れて頂いたことで、治療終了時には機能的に正常な噛み合わせ状態になりました。
(歯並びが綺麗に並んでいなくても、上記のゴールに至ることができる場合もあります。この方は、奥歯の噛み合わせが1歯対2歯という良い状態にもともとなっていたことがポイントです。)
現在、治療終了時から9年経過しています。
治療後は、定期的な検診に来院いただき、予防歯科的にクリーニングを行いながら、顎関節・噛み合わせ・歯肉などのチェック・調整を行います。
その際に、見つかった課題をメンテナンス的に改善します。
1本も再治療にならないことが一番望ましいのですが、
噛み合わせ的なリスクがある方にとっても、
このように、噛み合わせを軸にした治療と定期的なメンテナンスを行うことによって、治療後に問題が出てきても最小限の治療で済むようにと考えています。
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