グランプロデンタルクリニック銀座

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院長ブログ

歯軋り・食いしばりとインプラントの噛み合わせ②

そもそも、歯軋り・食いしばりとは何でしょうか?
 
患者様からのご相談などで、「私は寝ている時の食いしばりや、歯軋りをするみたいで…」というお話をよく聞きます。
一部の少数の方だけが食いしばり・歯軋りをしているのでしょうか?
 
実際には、ほとんどの方が就寝時に、食いしばり・歯軋りをしているのです!
 
歯ぎしり

私はこれまで、10年以上にわたって、500人以上の方の就寝時の食いしばり・歯軋りを調べてきました。
方法は、歯軋りチェッカーという検査専用の赤いマウスピースを一晩就寝時に使っていただくのですが、
食いしばり・歯軋りがあった部分は、その軌跡に沿って赤い色が無くなって透明になっているのです。
強さが弱いときは、小さい点であったり、逆に強いときは、マウスピースに穴が空いていることもあります。
 
例外は、就寝時に口呼吸をされている方で、上下の歯の接触がない方だけでした。
 
メカニズムとしては、以下のように解明されています。
 
まず、睡眠リズムの変化に伴って、

・微小覚醒
・心拍数の変化
・脳波の変化
・呼吸数の変化

が起きます。
その次に、食いしばり・歯軋りが起きて、最後に嚥下を行い唾液を飲み込むのです。(誤嚥性肺炎はこの過程でも起きるのです)
 
上記の体に起きている変化は、交感神経・副交感神経の活動によって引き起こされるので、例外なく全ての方に起きているのです。
 
 
では、なぜ、食いしばり・歯軋りが原因で、顔や頭の筋痛、歯・セラミックの破折などが起きる方とそうでない方がいるのでしょうか?
 
疑問
それは、
1:食いしばり・歯軋りの強さに個人差が大きいことと、
2:噛み合わせによって、害になる力をうまく逃がしやすい方と、
一部の歯に力が集中しやすい方がいるからなのです。
 
 
まず、1についてご説明します。
ぎゅーと力一杯上下の歯を噛み合わせたとき、歯にかかる力には個人差があって20~200kgと言われていますので、なんと10倍も違うらしいのです。
平均で90kg、75歳以上の方でも70kg、乳歯の子であっても、40kgあるようです。
(食事のときは、20kg程度です)
 
ですので、食いしばり・歯軋りの際には、1回ごとに、この大きな力が歯にかかっている可能性があるのです。
 
次に、2についてです。
8020と言って、80歳以上で永久歯28本中20本以上残っている方の噛み合わせが、力を逃しやすい噛み合わせのお手本になります。
実際には、この方々の歯数の平均は、25〜26本だったことからも、この噛み合わせに当てはまっている方は、食いしばり・歯軋りによるダメージを受けにくい方なのです。
 
噛み合わせは、大きく分けると以下の3つに集約されます。

1:上顎の前歯が出ている
2:下顎の前歯が出ている
3:1と2の中間

となりまして、3のパターンが一番力を逃しやすい噛み合わせと言われています。
 
食いしばり・歯軋りへの解決策は、どうしたらいいのでしょうか?
 
影響が、筋肉に限局されている方と、筋肉と歯に及んでいる方、主に歯に出ている方など個人差がありますので、
それに応じて対応策が異なります。
 
カウンセリング
 
そこで、以下のように当クリニックでは取り組んでいます。

1:検査 医療面接・アンケート記入・歯軋りチェッカー・噛み合わせの検査・顎機能検査(関節・筋・開閉口状態)

まずは、お話を伺った上で、検査を行い、食いしばり・歯軋りへの対応が必要かどうか調べます。
 

2:ソフトスプリント

検査の結果によって、対応策が必要なときは、筋のストレッチ方法を指導させて頂き、
厚さ1〜3ミリほどのソフトタイプのマウスピースを作製し、その使用方法をご説明します。
1〜2週間ごとに経過を確認しながら、マウスピースの調整を行います。
 

3:噛み合わせ治療

食いしばり・歯軋りへの対応という目的だけで補綴治療などは基本的に行っていないのですが、
例えば、
・セラミックや歯、インプラントが割れてしまっている
・欠損歯がある
・以前の治療に課題がある
・歯並びが気になっている
・噛み合わせが崩れてしまっている
・マウスピースの使用が困難
などがあるときは、それらの改善目的で噛み合わせを改善する治療を行い、終了後に再度マウスピースを作製することもあります。
 
25年以上前にありますが、総入れ歯の方で歯軋りが強くて、すぐに入れ歯が割れてしまうことを繰り返している患者様がいました。
歯が無くなっても食いしばり・歯軋りは治らないと実感した初めての時です。
 
おそらく、虫歯・歯周病だけでなく、食いしばり・歯軋りもあって、全ての歯を失ってしまったのではないかと思っています。
 
食いしばり・歯軋りと上手に付き合っていくためのヒントになったでしょうか。
最後まで読んで頂き、有り難うございました。
 

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