
歯周病治療
歯を失う三大原因は、「歯周病・虫歯・歯の破折」です。
歯周病だけで、全体の37%を占めます。
グランプロデンタルクリニック銀座では、「歯周病菌」と「口腔・全身」とのバランスが取れている
共生関係と呼ばれる状態になることを治療のゴールとしています。
現在、女性の平均寿命は87歳、男性は81歳となって、さらに、私たちは人生100年時代を迎えようとしています。
ですが、厚生労働省実施した平成28年歯科疾患実態調査によると、私たちは50歳代から歯を失いはじめ、80〜84歳になると平均的な歯の本数は約15本になってしまうという結果となりました。
歯を失う原因
歯を失う原因は「加齢」によるものではありません。
歯を失う三大原因は、「歯周病・虫歯・歯の破折」です。
歯周病だけで、全体の37%を占めます。つまり、3本に1本は歯周病で歯を失ったことになるのです。
残念ながら、日本人の35歳以上の方のうち、70%は歯周病に罹患していると言われており、年齢とともに気が付かないうちに、少しずつ歯周病が進行する傾向があります。
歯周病の全身への影響
- 歯を支える組織、歯肉・歯槽骨・セメント質にダメージが起こり、歯肉が下がる、歯がぐらつく、歯が抜けるなど。その時に、歯肉に限局している病態を歯肉炎、歯を支えている歯槽骨の喪失が起きてしまった病態を「歯周炎」と言います。
- 慢性炎症を引き起こしますので、全身の動脈硬化へ繋がります。
- 離れている臓器に直接的に悪影響をもたらします。
- 腸内細菌叢への悪影響「Dysbiosis」がおこし、結果として全身の様々な疾患にも影響します。
- 結果として、私たちの寿命にも影響します。
歯周病が発症する原因
口腔内にいる歯周病菌の種類と、口腔内を含めて全身の状態という2つのことが関連しています。
口腔内には、約700種類の細菌がおり、その中で歯周病に関連しているとわかっている菌を大きく3つに分類しています。
それらを3段のピラミッドで説明されることが多く、上段に分類されるほど、歯周病に対して悪性が高く、重度の歯周病のから見つかることが多いです。
最上段の歯周病菌には、「レッドコンプレックス」と呼ばれる3種類の歯周病菌が分類されていますが、その中でも最も悪性が高い細菌が、Porphyromonas gingivalisです(「P.g.菌」と呼ばれる)。
これらの歯周病に関連している細菌は、他の人から唾液を介在して感染し、レッドコンプレックスについては、18歳〜30歳と言われています。
一度、感染してしまい口腔内に住み着いてしまった細菌を完全に除菌することはできません。
実は、人によって口腔内に存在している細菌叢は違っています。言い換えると、レッドコンプレックスが存在している方もいれば、まったく存在していない方もいるのです。
このレッドコンプレックスに分類される歯周病菌が口腔内にいなければ、歯周病が重度にまで進行するリスクも少なくなります。
その反面、これらの細菌が口腔内にいる方、特に、P.g.菌がいる方は、歯周病が進行し、歯茎が下がったり、歯が抜けたりして、深刻な口腔内の状態になってしまうことがあります。
では、感染してしまったら、もう何もできないのでしょうか。
実は、「歯周病菌に感染=歯周病が発症」ではないのです。確かに、P.g.菌をはじめとするレッドコンプレックスに感染してしまった方は、歯周病が発症してしまうリスクが高くなりますが、「歯周病菌」と「口腔・全身」とのバランスが取れている共生関係と呼ばれる状態が成立していれば、歯周病は発症せずに、歯茎は健康な状態を保てるのです。
しかし、それらのバランスが、壊れてしまうと歯周病が発症してしまいます。
歯周病になりやすくなる
4つの要因と影響
口腔・全身に影響することは、以下の4つになります。
① 口腔内環境
② 全身的な健康状態
③ 生活習慣
④ 体質(遺伝)
一般的には、歯周病治療というと、「歯石をとる・歯ブラシの方法を教える」ことばかりかもしれませんが、グランプロデンタルクリニック銀座では、前述した「歯周病菌」と「口腔・全身」とのバランスが取れている共生関係と呼ばれる状態になることをゴールとしています。
そして、治療後には、良好な口腔内の維持するために、個々のリスクに応じたメンテナンスに移行します。
歯周病治療の流れ
最初に、色々なお話を伺ったあとで、歯周病の進行状況を診断するための精密検査。その結果をふまえて治療方法をご提案します。
精密検査内容
- セルフケアの方法などのヒアリング
- 口腔内の歯周病菌をチェック
- P.g.菌についてのPCR検査(ご希望の方は、他の菌も調べることも可能)
- 唾液中のタンパク量の測定
- 口腔内写真撮影
- 歯槽骨と歯石の付着などを調べるためのレントゲン撮影
- 歯肉の歯周ポケットと歯肉退縮量、歯の動揺度、プラーク(歯垢)の測定
- 歯の模型製作のための型取り
- 噛み合わせのチェック
検査結果によってご希望を伺いながら以下の治療を複数組み合わせて治療計画を立ててから、歯周病治療を行います。
個々の口腔内の状態によって、治療計画は違ってきますし、治療の経過によっても計画を修正することもあります。
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セルフケアの指導
(口腔内のことだけでなく、睡眠、食事、運動など全身的なことをアドバイスすることもあります) - プラークのクリーニング
- 歯肉縁上の歯石除去
- 歯肉縁下の歯石除去
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歯周外科
(歯石除去が目的の手術と、歯槽骨の再生が目的の手術があります) -
抜歯
(抜歯後には、インプラント・ブリッジなどの咀嚼機能を回復するための治療が必要になります) -
PDT治療
( photo dynamic therapyと呼ばれているレーザー治療の一種) - セルフケアを行いやすくする為、不適合な被せ物の再治療、矯正治療をご提案することもあります。
最終的には、歯肉の炎症がない状態を歯周病治療のゴールとしています。
その後は、定期的なメンテナンスに移行します。