グランプロデンタルクリニック銀座

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院長ブログ

入れ歯の悩みから解放されて、楽しい毎日へ:60代男性のインプラント治療の症例(1)

Youtubeでも解説していますので、ぜひ、ご覧になって頂けると嬉しいです。

 
このコラムでは、合わない部分入れ歯に悩まされていた60代男性のインプラント治療のお話を術前から治療後の経過まで詳しくお話しさせて頂きます。
 

患者様の背景とお悩みについて

 
他院で上下顎の奥歯(根管治療の経過が悪かったそうです)を合計6本抜歯した後で、失った歯を補うために部分入れ歯を作成し、使用していましたが、
「入れ歯の具合が悪く、しっかり噛めない」
「食べ物が金具の隙間に詰まる」
「上顎の入れ歯が味覚を妨げる」
などといった特に食事に関して深刻な悩みを抱えていました。
 
入れ歯の不快感によって、1日3回の食事の楽しみが奪われてしまい、生活の質(QOL)が大きく下がってしまったのです。
そこで、この状況を改善するために、日頃お世話になっている歯科技工士さんからのご紹介で、インプラント治療を希望されて来院されました。
 

私たちが歯を失う主な原因

第1位:歯周病(37%):歯を支えている歯槽骨が歯周病菌が原因で溶けてしまい、最終的に歯が動揺をきたし抜けてしまう病気

第2位:虫歯(29%):歯そのものに(歯冠または歯根)虫歯菌が原因で穴が開き、最後は歯が黒く崩壊してしまう病気。

第3位:歯の破折(18%):歯ぎしりや食いしばり、固いものを噛んでしまったなど、歯にかかる力が強くて歯が割れる・折れるなどが原因で抜歯に至ること。
特に神経を抜いた歯は、強度が脆くなる傾向にあるので、神経がある歯に比べて歯が折れるリスクが高いです。

そこで、上記のリスクを一人一人調べて、歯を失わないようにする予防歯科が極めて重要になります。
私たちは、オリジナルの「歯科ドック」によってこれらのリスクを判定し、予防に活用しています。
 

実際のインプラント治療の流れ

1:噛み合わせ検査と治療ゴールのシュミレーション

患者様の模型を使って、診断用ワックスアップという3Dのイメージを作成して、最終的な治療ゴールを設定します。
その際には、噛み合わせを考えて欠損部に補うべき歯の形をワックスで作成します。
この行程では、これらの歯を作成するためにインプラントを顎堤のどの位置に入れることが効果的なのかということも検討します。
実際には、ワックスアップは歯科技工士さんが作成するので、常日頃から噛み合わせに関して共通した認識を持てるようにミーティングを繰り返し行っていることも大切です。
 

2:レントゲンによる骨の状態の検査とオペの計画

診断用のワックスアップを利用して、CT撮影用のステントを作成します。(この方法のオリジナルの手法は、20年以上前に「歯科技工」に掲載しました。)
インプラントを埋入する予定の部位の顎骨の高さ・広さ・傾斜・皮質骨と海綿骨の状態などを確認します。
そして、 骨が不足している場合は、インプラント治療を可能にするために骨造成を計画し、インプラントのオペと同時に行います。
 

「上顎」
上顎の奥歯の上には「上顎洞(サイナス)」という空洞があります。
歯がなくなると、この空洞が下がり、骨の高さが不足することがあります。
 
今回は、「オステオトーム法」という、インプラントを入れる穴から特殊な器具を使って上洞顎の底にある薄い粘膜(シュナイダー膜)を慎重に持ち上げ、その隙、間に骨を作るスペースを確保する手法を計画しました。
また、コラーゲンをだけを入れて、さらにシュナイダー膜をインプラントで支えることで、スペース部分に患者様自身の治癒力を利用して骨の再生を促す手法と、人工の骨補填材を使用する方法がありますが、今回は前者を計画しました。
 
また、骨の高さがより不足する場合は、側壁からのアプローチによるサイナスリフトと呼ばれる手法もあります。
 


「下顎」
下顎の骨が不足している部分に対してはGBR法(骨誘導再生療法)という治療法を適用する計画を立てました。
この方法は、骨の再生を促すためのスペースをコラーゲンなどの特殊な膜を使用したり、患者様の骨膜で覆うことで確保して、そこに骨充填材を充填するものです。
骨充填材としては、インプラント埋入時に採取する患者様ご自身の骨(自家骨)を利用することや、化学的に合成したもの、動物由来のものなどを使用します。
今回は、患者様と相談の上、自家骨を選択しました。
 
また、下顎骨の中には、下歯槽神経や動脈が通っています。
インプラント手術中にこれらの神経や血管を損傷すると、唇の麻痺などの後遺症が残るリスクがあります。
そのため、インプラントを安全に埋入するには、CTを用いた精密な3Dシミュレーションが不可欠となります。
 
長くなるので、今回のコラムはここまでにします。
実際の治療は次回のコラムでご説明させて頂きます。
 


 

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