即時負荷

即時負荷 (そくじふか)

即時負荷(イミディエート ローディング)は、インプラント埋入後、同日(遅くても翌日)に仮歯を入れて、インプラントに咬合力の負荷をかけることです。条件さえ守れば通常のインプラントの成功率とほとんど変わらない術式です。

インプラントが骨と結合(オッセオインテグレーション)するまでの期間に、ある一定の大きさを超えた微小動揺は、その結合を阻害しますので禁忌となりますが、その許容範囲以内の微小動揺で収まる術式で、しっかりとした仮歯が入るのであれば、インプラント挿入後の非荷重治癒期間の間、治療部位に歯がないという不快さ、不便さから開放されるという利点があります。

この期間は、早期負荷が可能なインプラントでは、6週間、さらには、3週間というインプラントまで開発されてきていますが、一般的には3ヶ月です。

即時負荷が可能となるために、必要条件には以下の項目があります。

1) 下顎の無歯顎の症例において、10ミリ以上の長さのインプラントが4本以上、良好な初期固定(メーカーにより、差がありますが35N/cm以上と言われています。アンキロスは15N/cmでも大丈夫な設計と言われています)で埋入できていること。

2) 十分な強度、精度のある仮歯が装着されること。具体的には、インプラントとの適合もよく、変形や破折防止のためにメタルで補強されること、咬合力のコントロールができていることなどです。

3) 初期固定は、インプラントと骨との機械的な嵌合であるために、骨細胞の壊死とともに弱まります。術後2〜3週目ぐらいに、徐々にインプラントと骨細胞との結合である2次固定(Secondary Stability)と置き換わります。この置き換わる時が、一番動揺を来す時期なので仮歯はなるべく着脱しないことが大切です。

4) 歯ぎしりなど、インプラントにコントロールが難しい過大な咬合負荷がかかる習癖のない方。

5) 共振周波数分析などで定期的に固定度のチェックを行い、数値が急変したり、規定値以下になった場合には、負荷をやめることができること。

部分欠損や上顎の無歯顎の場合は、まだ明確な必要条件が確立していません。

あえて私見として述べさせて頂きますと、
前者であれば、対合歯の状態が、義歯、天然歯、インプラントの順に、仮歯にかかる力が強くなりますので、それも考慮して、咬合調整を行います。前歯部であれば、負荷は避けて、審美性のみの回復(即時修復)でとどめます。

後者は、少なくても6本以上インプラントが必要ですが、一番奥のインンプラントが動揺をきたし除去に至るリスクがあります。

そこで、このような症例の場合は、あえてコンセンサスが得られていない治療法でなく、数ヶ月の間だけ仮歯用の細いインプラント(暫間インプラント)を複数本、通常のインプラントの埋入手術のときに同時に、仮歯がすぐにセットできるように植立します。そうすることで、通常のインプラントは必要な時間をかけて確実に骨と結合できますし、その待機期間の間にも仮歯が口腔内にセットされているので、生活面でも大きな支障はないでしょう。

このインプラントは通常のインプラントが咬合力の負荷に耐えれるようになった時点で除去をします。