GBR (じーびーあーる)

GBR(guided bone regeneration:骨誘導再生療法)は、通常インプラント植立に際して、水平的、垂直的に歯槽骨の量が十分でなくインプラントが骨の中に入りきらない場合、骨を大きくする目的行われる術式です。

術式は、骨が無くなってしまった部位に、再生させたいスペースを、骨の再生に不必要な上皮下結合組織を人工膜により遮断し確保します。そこへ骨の再生に必要な細胞を 骨に小さな穴を開けて出血させる(この血液は再生に必要な細胞が豊富に含まれています)ことによって集め、自分の骨組織を誘導させます。スペースの中に、骨再生の足場となる顆粒状の代用骨を使う方が骨再生量が多くなります。術後、6ヶ月以上経過すると、固い骨様組織ができてきます。治癒に必要な期間は、骨欠損の形態や量、使用する生体材料によって違ってきますので、12ヶ月ぐらい要することもあります。

以下に、当院で使っている生体材料をご紹介しますが、全ての材料に関して、開発やリサーチに携わった方、もしくは臨床、研究データを豊富にもっている先生などの講演に参加しするんどして、直接お話を伺い納得のいったものの中で、さらに数年間に渡って、その予後を追いかけ、安全性と良好な結果を残したを使用しています。

人工膜にはe-PTFE(expanded Polytetrafluorethylene)などの非吸収性膜と,コラーゲンなどの吸収性膜が使われます。また、より積極的に骨が再生するスペースを確保するためにチタン強化膜も広く使用されています。症例によって適用にあったものを選択します。非吸収性膜、チタン強化膜を使用したGBRは、数ヶ月後に除去をする必要がありますが、骨の再生量は多い手法です。

代用骨には、患者様自身の骨や、人間や牛の骨を高温熱処理、高圧処理、酸処理、X線照射などを行いミネラル分だけにしたもの、ハイドロキシアパタイトやB-TCPなどのリン酸カルシウム系の材料など選択されて使われます。治療後の骨再生量や質、予後はそれぞれ違ってきます。

患者様自身の自家骨を使用する場合は、腰の腸骨や下顎の顎角部、オトガイ部などから採取しますので、手術部位が増えてしまうということと、術後に吸収して、再生骨が目減りしやすいといった欠点があります。

当院では、骨の再生治療に関しては、欧米で20年以上臨床応用され、何の問題も起きていないBio-Ossという牛由来の代用骨、β-Tcp(β-3リン酸カルシウムといい、骨成分の一つ)からできているCerasorb、Purosというヒト由来の代用骨、患者様自身の自家骨などから、適応と患者様のご希望に合ったものを選択して使用します。

あらかじめGBRで歯槽骨の増大を行った後インプラントを入れるstaged approachと、インプラントを入れるのと同時にGBR法を併用するsimultaneous approachがありますが、治療部位の骨量や再生するべき骨量、部位などを考慮して選択します。基本的には、大規模な再生が必要な時は、まずGBRのみを先に行い、十分な骨を確保した上で、インプラントのオペを行います。